商品撮影2021年5月24日更新日 2026年9月30日2分で読めます

モデル撮影の方法:完全ガイド

モデル撮影の方法をステップごとに解説します。企画、ポージング、ライティング、機材、ポストプロダクションまで、ルックブックとEC向けの撮影に対応した内容です。

モデル撮影の方法:完全ガイド

モデル撮影とは、ルックブック、キャンペーン、ECの商品ページのために、商品を身に着けたり使ったりしている人物を撮影することです。ライティング、機材、ポストプロダクションといった商品撮影の技術的な側面と、動かない物ではなく人を演出するという人間的な側面の両方が求められます。このガイドでは、その両方を扱います。

要点

  • モデルが到着する前に、ショットリストと撮影の目的(ルックブックか、商品重視か)を決めておきましょう。
  • あいまいな指示ではなく、「あごを引いて」「後ろ足に体重を乗せて」のような具体的で繰り返し使える言葉で、はっきりと伝えましょう。
  • 45度のキーライトにフィルライトまたはレフ板を組み合わせて影をコントロールし、求める雰囲気に合った背景を選びましょう。
  • 50mmレンズを使い、無理のない撮影距離を保てば、プロポーションが自然に写ります。F値を高くすると、衣服のディテールまでシャープに写せます。
  • ポストプロダクションを見据えて撮影しましょう。シワ、タグ、露出をカメラの段階で直しておけば、後の編集時間を短縮できます。
  • OrbitvuのFashion Studioのような自動化スタジオなら、オペレーター1人で1日150+点の商品を撮影でき、数週間かかる撮影を数日に短縮できます。

未来のスタジオを実際にご覧ください

販売している商品をお見せください。パックショット、動画、商品データまで、お手元のサンプルからその場でどのように撮影できるかを具体的にお見せします。

モデル撮影とは

モデル撮影とは、実際の人物がカメラの前で商品を身に着けたり、手に持ったり、使って見せたりする撮影のことで、商品だけを撮影する静物の商品撮影とは異なります。ブランドがモデル撮影を使う目的は主に2つあります。1つは雰囲気、シーズン、コレクションを売り込むルックブック撮影、もう1つは衣服やアクセサリーのフィット感、動き、使用時の見え方を伝える商品重視のモデル撮影で、後者は主にECの商品ページに使われます。

💡 モデル撮影を軸に撮影全体を組み立てる場合は、ウェブサイト向け商品撮影のガイドで、モデル撮影以外のワークフローについて解説しています。

モデル撮影の準備はどうすればよいか

撮影当日に何をするかよりも、準備のほうが結果を大きく左右します。撮影前に、次の4つの問いに答えておきましょう。

  • 撮影の焦点は何か? ルックブック撮影では雰囲気とストーリー性を、商品重視の撮影では仕立て、フィット感、ディテールを優先します。
  • どのカットが必要か? 「いい写真を何枚か撮る」といった漠然としたブリーフではなく、マーケティングやPRの目標に結びついたショットリストを作りましょう。
  • どの順番で撮るか? ルック、ロケーション、セットアップの順番を絵コンテにまとめ、ヘア、メイク、ライティングの変更で待ち時間が生じないようにします。
  • 何が起こりうるか? 小道具が足りない、モデルが遅れる、ロケーションが使えなくなるといった事態に備え、撮影が止まらないようにしておきましょう。

モデル撮影の主な種類

種類目的一般的なセットアップ
ルックブック撮影スタイリングと舞台設定で、コレクション、シーズン、ブランドの雰囲気を表現するロケーション撮影または作り込んだスタジオ撮影、クリエイティブな背景、エディトリアルなポージング
商品重視のモデル撮影EC向けに、衣服の仕立て、フィット感、ポケットの位置、素材の質感を見せる無地または白の背景(マーケットプレイスの規定に合わせてRGB 255,255,255が一般的)、一貫したライティング、再現可能なポーズ

ルックブック撮影は、ロケーションの手配やスタイリングが必要なため、1枚あたりのコストが高くなりがちです。一方、商品重視の撮影は量と一貫性を重視して組み立てられるため、ECやファッションのブランドでは自動化が進んでいます。

モデルの探し方と撮影現場での接し方

モデルを探す。 予算と規模に応じて、ブランドはエージェンシー、モデル紹介プラットフォーム、SNS、自社でのオーディションなどを通じてモデルを探します。どの方法を選ぶ場合も、静止ポーズだけでなく表情や動きに一貫性があるかをポートフォリオで確認し、撮影前に使用権と撮影時間を書面で取り決めておきましょう。

撮影現場でのモデルとの接し方は、次の4つの習慣に集約されます。

  • 問題はすぐに直す。 外れかけたタグ、シワの寄った袖、ずれたアクセサリーは、気づいた時点で直しましょう。撮り直すより早く、プロの現場であることも伝わります。
  • 早い段階で信頼関係を築く。 温かく迎え、撮影内容をわかりやすく説明し、落ち着いて自信のある指示を出すことで、モデルはリラックスできます。リラックスしたモデルほど、写真映えします。
  • 快適さに配慮する。 4時間を超える撮影では食事を用意し、特に屋外では、水、日陰、休憩をいつでも取れるようにしておきましょう。
  • モデルが実際に従える指示を出す。 「左を向いて」は、あなたにとってと、向かい合っているモデルにとってとでは意味が異なります。代わりに、「あごを左肩のほうへ」「後ろ足に体重を乗せて」のような一貫した具体的な合図を決めておき、言葉だけで足りないときは、自分でポーズをやって見せるか、参考画像を見せましょう。

モデル撮影におすすめのポーズ

ポージングは、モデル撮影に慣れていないフォトグラファーが最も時間を取られるところであり、一般的な撮影アドバイスでは見落とされがちな点でもあります。ルックブックでうまくいくポーズが商品ページでは硬く見えることもあれば、その逆もあります。次のポーズを出発点として、撮影する衣服や商品に合わせて調整してください。

ポーズ向いている用途指示の例
クラシックな立ちポーズすっきりとした商品重視のカット、EC「足を肩幅に開いて、後ろ脚に体重を乗せ、肩の力を抜いてください。」
ヒップポップ / S字カーブルックブックやワンピース。体に自然なラインが生まれる「片方の腰に体重を移して、肩は反対側に傾けてください。」
斜め45度のもたれかかりアウター、テーラード、衣服のドレープを見せるカット「壁か小道具に肩をもたせかけて、体重は前にかけたままにしてください。」
振り返りエディトリアルや背面のディテールのカット「体をカメラから背けてから、肩越しに振り返ってください。」
顔に手を添える / ポケットに手を入れるアクセサリー、ジュエリー、かっちりしたジャケット「あごの近くに軽く手を添えてください」または「親指をポケットに引っかけてください。」
動きのあるカット / ウォーキングルックブック、生地の動きを見せるカット「こちらに向かって自然に歩いてください。止まるタイミングは声をかけます。」
ディテール / クローズアップ商品重視:ポケット、縫い目、留め具、質感ディテールだけを撮影する間、モデルには力を抜いたまま静止してもらいます。

次のポーズに移る前に、それぞれのポーズを複数の角度から撮影しておきましょう。現場ではわずか数秒の手間ですが、ポストプロダクションでの撮り直しを丸ごと防げることがあります。

モデル撮影のライティング

光源によって、写真の雰囲気の大部分と、その後のレタッチ作業の量が決まります。

光源特徴向いている用途
自然光無料できれいに写るが、時間帯や天候によって変化する自然でエディトリアルな雰囲気のルックブック撮影
フラッシュ(ストロボ)動きを止められ、出力が安定しているが、より高度な技術的コントロールが必要大量かつ再現性の求められる撮影や、動きの速いポーズ
定常光撮影前にリアルタイムで確認でき、仕上がりをプレビューしやすい初心者、動画、遅めのシャッタースピード

自然光で撮影する場合: 強い影や色かぶりを避けるため、頭上からの直射日光を避けて撮影し、ディフューザーでモデルに当たる光を和らげましょう。モデルが日陰に立っている場合は、レフ板で光を返し、平板で暗い印象にならないようにします。

フラッシュで撮影する場合: フラッシュと自然光を組み合わせるなら、NDフィルター(減光フィルター)で環境光の露出をコントロールできます。背景の選び方によっても、光に求められる役割は変わります。黒背景は逆光とコントラストを強調し、白背景は商品に視線を集めます。多くのカメラでは、ハイスピードシンクロ(HSS)を使わないとフラッシュの同調速度は1/250秒が上限なので、それに合わせてシャッタースピードを計画しましょう。

定常光で撮影する場合: 撮影前に光の状態が見えるため、定常光は仕上がりをリアルタイムで確認するのに最も手軽な選択肢です。モデルに慣れないポーズを指示するときに特に役立ちます。

💡 機材、セットアップ、トラブルシューティングについてさらに詳しく知りたい方は、商品撮影のライティング完全ガイドをご覧ください。

モデル撮影に必要な機材

焦点距離だけでなく、モデルとの距離が重要

50mmレンズなら、無理のない撮影距離で自然な遠近感が得られます。より長い焦点距離のレンズでは、モデルのプロポーションがゆがまないよう、さらに離れて撮影する必要があります。

絞りは目的に応じて選ぶ

衣服の仕立てや質感を画面全体でシャープに写す必要がある商品重視の撮影では、F値を高く(絞りを小さく)します。背景をぼかして奥行きとエディトリアルな雰囲気を出したいルックブック撮影では、F値を低くします。

カメラの種類は用途に応じて選ぶ

フルサイズセンサーは解像度が高く、大判印刷やキャンペーン用途に適しています。APS-Cセンサーは解像度が低めですが、商品重視の撮影ではそれが利点になることもあります。ストレージやポストプロダクションへの負荷が小さく、肌や生地の小さな欠点も目立ちにくいからです。

モデル撮影のサポートチームに必要なメンバー

フォトグラファーとモデルのほかに、プロの撮影では通常、次のメンバーが必要です。

  • ヘアメイク:すべてのセットアップやルックの変更を通して、モデルの見た目を一貫させます。
  • プロダクションマネージャーまたはアシスタント:ショットリスト、撮影順、スケジュールを予定どおりに進めます。
  • スタイリスト:カットの合間に衣服のスチームがけ、ピン留め、調整を行います。

チームの規模にかかわらず、全員が事前にショットリストと撮影順を把握しているようにしましょう。1日の始めに5分間のブリーフィングを行うだけで、撮影中に起きる遅れのほとんどを防げます。

モデル撮影に向けた商品の準備

商品にも、モデルと同じだけの注意が必要です。各カットの前に、次のことを行いましょう。

  • 衣服にスチーマーやアイロンをかけ、輸送や梱包でついたシワを取る。
  • ジュエリーを磨き、光沢のある面や反射する面のほこりを払う。
  • エアダスターと粘着ローラーで、ほこりや糸くずを取り除く。
  • 指紋がつかないよう、仕上がった商品は白い手袋をして扱う。
  • モデルがセットに入る前に、スタイリストに最終チェックをしてもらう。

💡 この段階のより詳しいチェックリストは、商品撮影の準備に関するガイドをご覧ください。

モデル撮影のポストプロダクション

次の5つのルールを守れば、編集時間を減らし、仕上がりを一貫させられます。

  • 現場での2分が、ポストプロダクションの10分を節約する。 次に進む前に、ファインダー越しに見えるものは直しておきましょう。
  • 実際の衣服とモデルに忠実であること。 色や形を加工しすぎると、商品が写真と違うことによる返品のリスクが高まります。
  • トーンと影の深さは撮影中にコントロールする。 後から作り直そうとするのは避けましょう。
  • 彩度を上げすぎたり、自然な彩度を強くしすぎたりしない。 不自然に見え、商品の実際の色を誤って伝えるおそれがあります。
  • 公開前に、色とトーンについて中立的な第三者の意見を聞く。 大量の画像をまとめて扱う場合は特に重要です。

モデル撮影を大規模に自動化するには

手作業のモデル撮影は、規模を拡大しにくいものです。新しいSKUが増えるたびに、スタジオ、モデル、スタイリストを手配し、何日ものポストプロダクションが必要になります。OrbitvuのFashion Studioは、今使っている生身のモデルによるワークフローはそのままに、その周りのボトルネックを取り除くために設計されています。

  • ソフトウェア制御の電動スタンドと、個別に制御できる14枚のLEDパネル、バックライト付きの背面壁により、最初のカットから最後のカットまでライティングが一貫します。
  • 自動ポストプロダクションと複数チャネルへの配信により、カットごとに個別の編集作業をしなくても、撮影した画像を販売チャネルへそのまま届けられます。
  • オペレーター1人で、1日150+点の商品について、1点あたり7枚の画像を撮影・編集・公開できます。すべてのセッションを一貫させるカスタムテンプレートを使って行えます。
  • Carrafina Private Labelのチームは、Fashion Studioを使って、2日間の撮影で4,000枚以上の写真と70本以上の動画を制作しました。
Orbitvu Fashion Studioによるクリエイティブなファッション商品撮影

商品写真の品質は、売上に直結します。2023年のForbes/Bazaarvoiceの調査によると、オンラインの買い物客の70%が、商品コンテンツの品質が購入の決め手になりうると答えています。より速く、より一貫したモデル撮影のワークフローは、商品そのものを変えずにその品質を高める、最も直接的な方法の1つです。

よくある質問

モデル撮影に必要な機材は何ですか?

最低限必要なのは、カメラとレンズ(50mmは汎用性の高い出発点です)、キーライトとなる光源(自然光、定常光、フラッシュのいずれか)、レフ板またはフィルライト、そして背景です。セットアップの規模が大きくなるにつれて、ディフューザーやソフトボックスなどのモディファイアーを追加していきましょう。

モデルを撮影するとき、どのくらい離れればよいですか?

距離はレンズによって異なります。50mmレンズであれば、無理のない撮影距離で体のプロポーションが自然に写ります。より長いレンズでは、モデルがゆがまないよう、さらに離れて撮影する必要があります。

ルックブック撮影と商品重視のモデル撮影の違いは何ですか?

ルックブック撮影は、スタイリングと舞台設定によって、雰囲気、シーズン、コレクションを売り込むものです。商品重視のモデル撮影は、衣服の仕立て、フィット感、素材を見せることを優先し、ECの商品ページ向けに無地の背景で撮影するのが一般的です。

モデル撮影に自然光は使えますか?

使えます。頭上からの直射日光を避けて撮影し、ディフューザーでモデルに落ちる影を和らげましょう。自然光はエディトリアルな雰囲気に向いていますが、大規模な撮影全体で一貫性を保つのは、スタジオ照明や自動化された照明よりも難しくなります。

モデル撮影の編集を効率化するにはどうすればよいですか?

次のカットに移る前に、シワ、外れかけたタグ、露出のムラなど、カメラの段階で見える問題を直しておきましょう。また、Fashion Studioのような自動撮影システムは、撮影の時点で一貫したライティングとテンプレートを適用するため、編集時間の短縮にもつながります。

この記事は2021年5月に公開されたもので、2026年9月にわかりやすさを高めるためAI技術を用いて最適化されました。

ワークフローについて Orbitvu(日本代理店) に相談する

Orbitvuの専門家が、商品撮影やコンテンツのワークフローについてご相談を承ります

計画中の内容や、必要な商品コンテンツのワークフローについて、フォームからお聞かせください。

* 必須項目

このカテゴリーのその他の記事

2026年10月8日

AIは必要なところに:Orbitvuが商品の真実を損なわずにAIを使う方法

AI生成の商品画像は速く、安価です。しかし、実物の商品からずれてしまうことがあります。生成画像がどこで商品の真実を失うのか、商品撮影におけるAIを信頼できるものにする条件は何か、そしてOrbitvuがAIを実物の商品の代わりではなく、実物の商品の周りでどう使っているのかを解説します。

2020年11月3日

360度商品撮影:完全ガイド

360度商品撮影の仕組み、使いどころ、必要な機材、そしてカタログ規模での自動化までを解説します。ECでの活用と、産業・品質管理向けのドキュメンテーションの両方を対象にしています。